高市早苗は国の「防波堤」となるか。トクリュウ・闇バイトと戦う治安対策の実績に迫る
私たちの日常は、気づかぬうちに新たな脅威に晒されています。「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」、「闇バイト」、そして国境を越えて忍び寄る「違法オンラインカジノ」。これらは、デジタルの海から押し寄せる危険な波のように、人々の生活を静かに浸食し始めています。
この見えざる脅威に対し、国の「防波堤」を築こうと奔走する政治家がいます。高市早苗氏です。3度目の自民党総裁選への挑戦が注目される彼女ですが、この1年間、特に注力してきたのが、この高市早苗の治安対策の実績です。
この記事では、総裁候補としての一面だけでなく、「国家の安全を守る専門家」としての彼女の具体的な取り組みを深掘りします。彼女が設計し、築き上げようとしている「防波堤」とは、一体どのようなものなのでしょうか。
迫りくる波:なぜ「治安」が最重要課題なのか
「このままでは自民党は終わってしまう」。高市氏が抱く強い危機感は、単に党の現状に向けられたものではありません。それは、国民の安全が揺らいでいることへの警鐘でもあります。
SNSを通じて若者が知らず知らずのうちに犯罪の実行犯にさせられる「闇バイト」。国境を越えた指示で動くため、実態把握が困難な「トクリュウ」。これらは、従来の警察組織だけでは対応が追いつかない、全く新しい形の犯罪です。
高市氏は、自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長」として、この問題の対策を主導。石破政権と距離を置きながらも、党の政策責任者として政府に強く働きかける道を選びました。彼女にとって、国民の安全確保は、経済や外交と並ぶ、いや、それ以上に国家の根幹をなす「譲れない一線」なのです。
設計図を描く:トクリュウ・闇バイト総合対策という名の「防波堤」
高市氏の治安対策における実績の柱は、2024年12月に石破茂首相へ提出された「闇バイト」総合対策に関する緊急提言です。これは、彼女が中心となって描いた、まさに「国家の防波堤」の設計図と言えるでしょう。
提言のポイントは、単に犯罪者を取り締まるだけでなく、犯罪の「入り口」から「出口」まで、社会全体で包括的に対策する点にあります。
入り口対策(予防)
SNS事業者に対し、明らかに危険な募集投稿の削除を義務付けるなど、若者が犯罪にアクセスする経路を遮断する。
組織対策(取り締まり)
トクリュウのような組織の実態解明のため、省庁の垣根を越えた捜査体制の構築や、通信傍受(盗聴)の対象犯罪拡大を検討する。
出口対策(離脱支援)
一度関わってしまった若者が組織から抜け出せるよう、相談窓口の設置や支援策を強化する。
これらの提言は、自民党の公式サイトでも公開されており、その具体性と実現に向けた強い意志がうかがえます。
防波堤の構築:議員立法でオンラインカジノの奔流を堰き止める
高市氏の実行力は、提言だけに留まりません。彼女は、違法なオンラインカジノという奔流を堰き止めるため、具体的な「防波堤」を法改正によって築き上げました。
それが、議員立法で実現した「ギャンブル等依存症対策基本法の改正」です。
これまで、海外にサーバーがあるオンラインカジノは「賭博罪」の適用が難しいとされてきました。この法の抜け穴を突く形で市場が拡大し、多くの人がギャンブル依存や多重債務に苦しむ原因となっていました。
改正法では、国内からの接続を遮断する「ブロッキング」の導入検討や、広告・勧誘の規制強化が盛り込まれました。これは、高市早苗が治安対策で具体的な実績を上げた、象徴的な事例です。安倍晋三元首相からかつて「1人で抱え込みすぎている」と評された彼女が、麻生太郎元首相の助言も受けながら、後輩議員らと連携して政策を実現させたのです。
チームで築く未来:孤高の鷹から、群れを率いる鷹へ
この一連の治安対策を支えているのが、元官僚など政策通の若手議員で構成される「チームサナエ」の存在です。
元財務官僚の尾崎正直氏、元総務官僚の佐藤啓氏らが中心となり、毎週のように意見交換を重ねて政策を磨き上げています。専門的な知見と現場の感覚を組み合わせ、緻密で実効性の高い「防波堤」をチームで築き上げる。
30年以上の政界経験と、「女性初」の役職を数々歴任してきた実績。そして今、彼女は個人の力だけでなく、チームを率いるリーダーとしての新たな顔を見せています。
彼女が目指すのは、単なる総裁の椅子ではないのかもしれません。それは、新たな脅威から国民を守る「国家の防波堤」を完成させること。その先に、阪神タイガースの優勝のように、国民と共に分かち合える「日本の勝利」を見据えているのでしょう。
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