【育休復帰 面談】気まずい空気を打ち破る、上司と部下の対話シミュレーション
育休からの復帰、おめでとうございます。
しかし、喜びと同時に、多くの不安が胸をよぎるのではないでしょうか。特に、復帰前面談や復帰直後の面談は、今後の働き方を左右する重要な場面。中でも最もデリケートな話題が、「子どもの急な体調不良による休み」についてです。
「休む前提で話を進められると、まるで”迷惑な存在”だと言われているようで辛い…」(部下)
「もちろん休むのは仕方ない。だが、チームへの影響を最小限にするためのルールは明確にしたい」(上司)
この溝は、なぜ生まれてしまうのでしょうか。
この記事では、この気まずいテーマを乗り越え、上司と部下が「戦友」になるための対話シミュレーターをご用意しました。リアルな面談を体験し、円満な復帰への第一歩を踏み出しましょう。
シミュレーター登場人物
上司:田中部長(40代・男性)
営業部のプレイングマネージャー。成果と効率を重視するロジカルな思考の持ち主。チーム全体のリスク管理を徹底し、計画通りに物事を進めることを信条とする。悪気はないが、時に部下の感情への配慮が欠けることがある。
部下:鈴木さん(30代・女性)
営業職。1年間の育休から復帰したばかり。仕事への意欲は高いが、今は家庭とのバランスを最優先したいと考えている現実主義者。子どもの急な発熱などで、チームに迷惑をかけることに強い罪悪感と不安を感じている。
【設定】
今日は、鈴木さんの復帰後1週間のフォロー面談。あなた(読者)は「部下・鈴木さん」の立場で、田中部長との対話に臨みます。あなたの選択が、面談の空気を、そして未来の働き方を左右します。
【対話シミュレーション】START
田中部長: 「鈴木さん、復帰して1週間、お疲れ様。慣れない環境で大変だと思うが、早速で申し訳ない。今後のリスク管理について、先に話しておきたい。具体的には、お子さんの急な発熱などで休む場合の”ルール”だ」
あなた(鈴木さん)なら、どう答える?
【選択肢ごとの結果と解説】
シミュレーションを終えて:面談を「交渉」から「共創」へ
今回のシミュレーション、いかがでしたか?
成果主義の田中部長も、決して悪気があって鈴木さんを追い詰めたいわけではありません。彼の目的は「チームのリスクをなくし、成果を最大化すること」。
一方、鈴木さんの目的は「チームに迷惑をかけたくないという罪悪感を減らし、安心して働き続けること」。
一見、対立するように見えるこの2つの目的ですが、実は「チームが円滑に機能し、鈴木さんが長く活躍できる状態」という共通のゴールを持っています。
育休復帰面談の目的は、どちらかが我慢するルールを決める「交渉」の場ではありません。上司と部下が互いの状況と目的を理解しあい、共にゴールを目指すための作戦を練る「共創」の場なのです。
対立から「共創」への3ステップ
- 感情の共有(心理的安全性の確保)
上司:「慣れない環境で不安だと思うが、いつでも相談してほしい」
部下:「ご配慮ありがとうございます。ご迷惑をかけないか、正直不安です」 - 事実と目的の確認(課題の共通認識)
上司:「チームのリスクを最小限にしたい」
部下:「時間的制約がある中で、最大限の貢献をしたい」 - 解決策の共創(具体的なアクションプラン)
上司&部下:「そのために、情報共有の方法をこう工夫しよう」「この業務は、このメンバーにバックアップを頼めるようにしておこう」
この「共創」の視点を持てば、気まずいテーマも、未来を創るための建設的な対話に変えることができます。あなたの職場での面談が、実りあるものになることを心から願っています。
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